建築用断熱材のこと
建築用断熱材のこと 外断熱・壁構造のRCマンションになったわけ(14)
日本の通常の住宅は、殆ど必ず何処かに断熱材を使用して、室内と室外に温度差があっても、その温度差を感じな
い様に工夫するのが普通で、設計者の責務でもありますが、ここは費用対効果のせめぎ合いとなります。
断熱材によって、冷暖房効率も良くなり、省エネになります。当時は省エネという言葉はあまり聞かれませんでしたが、
何でも効率が良いに越したことはありません。
昔はグラスウールでしたが、他の有機化学物質の断熱材は、火災時に有毒なガスの出る物が多く、その後沢山の種
類の建築用断熱材が開発されました。
近年になって、独立発泡の断熱材が出回り、かなりの効果が有る様になりました。
独立発泡というのは、スポンジの様に発泡させた断熱材ですが、スポンジは穴同士がつながっていて、空気も水も移
動してしまいますが、穴が独立していて空気の流れが無いため、薄い材料でも高い効果が有ります。
独立発泡素材の草分け的製品は、かなり前に作られた、ダイビングに使うウエットスーツで、人造ゴムのネオプレンの
独立発泡の素材ですが、伸び縮みして通常は5mm程度の厚みで充分な効果を発揮します。
独立発泡の断熱材が何故良いかは、スポンジの様な発泡材は気泡が独立していないので、どうしても壁の中で結露
によって、長い期間に水を沢山含んでしまいますし、空気が反対側に抜けてしまいますから、断熱性が低くなります。
鉄筋コンクリート造り(RC)の躯体でも一番外側を何で覆うかが問題で、耐候性の高い材質は、どうしても窯業系や自
然石の様な物になります。
木造住宅で、窒業系サイディング材が多いのは、きっとこうした理由ですね。
打ちっぱなしの場合は表面に保護のため、撥水剤を塗りますが、所詮寿命が短いので、手が掛かる筈です。
少し古い時代の打ちっぱなしは保護剤も無くて見るも無残に汚れています。
コンクリートの怖いところは、空気に触れている表面から、本来アルカリ性である筈のコンクリートが中性化して、中の
鉄筋が錆びてしまうことが有ります。
一般にかぶり厚と言われる、鉄筋とコンクリートの型枠側からの距離が短い場合も中性化が早く起きてしまいます。
当然爆裂という表面のコンクリートを破って鉄筋が丸出しになり、補修しないとどんどん進行してしまうのです。
しかし、タイル貼りでもヒビが入ったり、剥げ落ちたりしますから、躯体の傷みはあります。
外断熱の断熱材は、躯体の外側に入っていますから、躯体の痛みは格段に少ない筈ですが、実際はどうか?
筑後24年目にボーリングでのサンプル調査では、断熱材の接着強度は強く、異常はありませんでした。
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://www.wisteria-umegaoka.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/36