真空ガラスの威力は本当か.
真空ガラスの威力は本当か 外断熱壁構造のRCマンションになったわけ(21)
日本板硝子から発売されている真空ガラスの事です。
1994年にシドニー大学と日本板硝子が提携して、世界で初めて既存の窓枠に対応出来る真空ガラスの量産に成功した
と書いてあります。
そこで、スペーシアという真空ガラスなら結露しないか?
という疑問が付きまとい、どうしても実際に試したくなりました。
これまでの複層ガラスは、最初ショーケースのために作られていた様ですが、1970年代の始め、自宅のガラスに旭ガラス
の複層ガラスを使おうとして、北海道でしか使われて居ないと聞かされ、又、納期が長く掛かると言われて断念した経験
がありました。
本当に真空なら、これ以上の断熱効果は望めない事になりますから、かなり期待感が湧いて来ます。
熱伝導としては、ガラスが潰れない様に間に入れるスペーサーを伝わるか、回りの淵から伝わるか、後は輻射しか有りません
から、魔法瓶の様なものの筈です。
では、これまで多く使われて来た複層ガラスと真空ガラスはどうちがうか比べてみると、以下の様です。
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複層ガラスは、ガラス3mm+6mm間隙+ガラス3mmですが、中は乾燥空気かアルゴンガスです。
それに比べ、スペーシアは3mm(Low-Eガラス)+0.2mm(真空)+3mm(透明ガラス)で、中は真空ですが、潰れない
様に、細い柱が20mmおき位に入っています。
各熱貫流率は、3mm単板=6.0、12mm複層=3.4、スペーシア=1.4 となっていますから、複層ガラスの半分以下しか
熱を通さないことになります。 単位は、熱貫流率 W/㎡K です。
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でも大抵の自然法則の数値と、人の感じ方はかなり違う場合がありますから、体感しないことには話になりません。
そこで、或る部屋のガラスを全部変えて見ました。
その結果は、なるほど! と実感出来ましたが、サッシは同じアルミなので、やはりサッシの結露は同じです。
当たり前ですが。 しかし、ガラスにはそれでも少しは結露します。
湿度を下げると寒く感じますから、50%前後、温度27~28度にすると、ガラスへの結露は真冬だけ、結露してしまい
ます。
うっすらですが、一応結露は有ります。
それでも、窓ガラスからのコールドドラフトはあまり感じなくなったので、一応の効果は有ったわけです。
このコールドドラフトと言われる、窓カラスで冷やされた空気が床を這って来る寒さはかなりのもので、思ったよりも
寒さを感じるものです。
ですから、昔の床暖房の設計には、床にコールドドラフトを防ぐための穴が開いた設計が沢山ありました。
家造りで先を行っている先輩方の意見は、やはりサッシ自体を二重にすることだそうで、これに勝る物はないかも知れ
ません。
北欧の住宅を買った人が居て、シベリア鉄道で設計通りにカットした木材やその他の材料を運んで来るそうで、建築途中
の家を見て来ましたが、窓枠(サッシ)はプラスティックで、窓は三重になっています。
プラスティック窓枠は日本では、一番外側に金属サッシを使わないといけないそうですが、別荘地の様な場所でしか出来
ないのでしょう。
スエーデン住宅は木製サッシの大きな扉ですが、中に木材を沢山使っているので、梅雨の様な時期には部屋内は割合
湿度が低いとの解説でした。
スペーシアの解説に、
室温20度、湿度60%で結露の発生する外気温は、ー23度という資料が有りますが、室温20度はちょっと実用的とは
言えないと思います。
20mm間隔でスペーサーが入っています

ガラスの隅に有るマーク
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