新米大家奮闘記(27) 痩せる目地
案外気付かないで減る物
気付かない内に減る物は財布の中身だけでなく、いろいろ有りますが、 タイル目地もその一つです。
自然界でも、鍾乳洞の様に石灰質の物は水に溶けるし、酸性雨ではもっと早くセメントを溶かすのは、理解出来ます。
しかし少しづつなので、案外見落としがちになりますが、コンクリートからの石灰質の流出をエフロと呼んでいます。
白く石灰分が析出して見えますが、そんな場所を見たら、何処から水が入ったかを追求して修理しなくてはなりません。
酸性雨は、タイル表面のガラス質も減りますが、ラスター掛けタイルは一番目立つ存在です。
タイル目地も必ずしも一様では無いので、補修した様な部分は、抜け落ちて穴になっている場所も有ります。
穴からは又雨が入り込み中の物を溶かしたり、水の道を作ったりして、思わぬ被害を被りますから早めに処置するのが
賢明ですが、その数は莫大になり、なみたていではありません。
樹脂製の補修材が意外と持ちが良く、手軽に補修出来ます。
出窓のクロスが剥がれる事が有って、よく見ると単なる結露的なものでは無くて、何処からかの漏水と判断されました。
アルミサッシの出窓ですが、サッシの付き合わせ部分をコーキングが痩せてしまって怪しいのです。
これは、構造的欠陥とも言えますが、今更どうにもならないので、その接合部の上にコーキング剤が隠れる様なアルマイト
処理をした板を作って貰い、乗せたところ、立ちどころに漏れなくくなりました。
ちょっとした所ですが、結果は大違いで、サッシメーカーも罪な設計をするものです。
シャブシャブのエポキシ樹脂
もう一つ出窓にまつわる漏水ですが、今度はコンクリートにヒビが有って、早速業者の方に樹脂を充填をお願いしました。
最近は、コンクリートのクラック内に、粘度の極めて低いエポキシ樹脂を圧力を掛けて充填する物が沢山有ります。
本来鉄筋コンクリートの躯体は、一体構造の筈ですが、窓や出入り口などの開放した部分では、応力の掛かり方がいち
様にでは無く、特別に鉄筋の方向を工夫して配筋しないと、必ずクラックが入りますから、そうした隙間に雨水が入ってし
まうと早く手当しないと、石灰質だけが溶け出して、砂や砂利の骨材だけになってしまいます。
ですから、エアコンのドレイン水も唯の水ですが、セメントだけを流してしまいます。
又FF暖房機の排気筒からは特に強い酸性の水が出ますから放ったらかしにしてベランダなどに流してはいけません。
コンクリートに穴が開いてしまいます。
最近のエコ給湯器として出ている排ガスの温度を低くして、熱効率を上げた給湯器は、その排ガスの処理の仕方で
かえってお金が掛かって面倒です。
アメリカ辺りの古い建築物では、石灰質がつららになって垂れ下がっている建物が有るそうですが、地震国では無いので
無事の様です。
太平洋岸のサンアドレアス断層に沿った地域の建物では、どんな工夫をしているか知りたいものです。
コンクリート打継ぎ剤
コンクリート関連の混和剤はこの数年で非常に便利なものが増えて、コンクリート打設打には欠かせない物になっている
と思われます。
昔は、コンクリートは、いわゆる打継ぎが出来ず、一旦固まったコンクリートに続けて打設しても、一体化せずに水漏れ
したり、強度的に問題が有って続けて打設するのが常識だった時代も有りますが、現在では専用のエポキシ樹脂を塗って
打ち継ぐ事が出来て、非常に便利になった様です。
コンクリート混和剤
一番よく使われるのは、おそらく打設作業の効率向上のための、混和剤でしょうか。
界面活性剤を主体とする流動剤は、コンクリートの水の量を減らしても流動性が抜群に良くなり、細かい鉄筋の間にも良く
流れ込み作業性が良くなります。
コンクリートの流動性を良くするには、空気連動性と言って、空気の細かい気泡を作ることによって流動性も高まるそうです。
又、水を少なくする事で、強度が増し、頑丈なコンクリートが出来、寿命も伸びるそうです。
普通はコンクリートミキサー車が現場に到着してから入れる場合も有って、設計事務所や建築士が配合を決めてから
コンクリート業者に指示するので、施主は建築士に確認しないといけません。
コンクリートの強度は、骨材の配合具合や、水の量、混和剤等々かなりの違いがありますから、良く確かめるべき、と言う
よりは、ちゃんと管理されているかをです。
特に、混和剤はミキサー車が現場に到着してから混入する場合が多いので、小規模建築物では特に大切ではないでしょうか。
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