マンションオーナーの悩み(12)デジタルの前に
デジタル以前の話
同じ電気でも、乾電池やバッテリーの直流とは違い、交流は便利で不便といったおかしな存在かも知れません。
しかし、この交流の物理的仕組みを理解しなかったら、人類はこんな文明社会を作れなかったことでしょう。
交流とは、直流のプラス極とマイナス極が或る時間で入れ替わる電気の事ですが、学校ではサラリと習うかも知れませんが、
覚えている人は少ないかも知れません。
私達が何時も利用している東京電力の100Vは交流ですが、関東地方ではその極性が一秒間に50回入れ替わります。
関西では60回ですから交流独特の特性を利用したモータとかトランスを使う電気器具では60Hzと50Hzを使い分ける必要が
有る物もかなり有ります。
又、電気は導体と呼ばれる電気を通し易い電線を使って運びますが、距離が長くなると流れに逆らう抵抗が増えて、電圧が
落ちたり、沢山の電気を流すとその抵抗で電気が熱に変わって発熱したりします。
直流も交流も電線の中で抵抗によって流れを邪魔されるのは同じですが、交流では周波数に応じて直流の場合とは別の抵抗
を生み出す性質が有り、この性質が便利で不便なわけです。
交流のこうした抵抗の事をインピーダンスと言いますが、通常は直流的抵抗分を無視しています。
そして一番大事な事は、フレミングの右手とか、左手の法則などと言って、交流の電気を電線に流しただけで、磁界が出来て
しまいそれが交流の流れを妨げたりもしますが、発電したり高圧の電気を作ったり、低い電圧に変換する事が出来るのです。
EVと言われる電気自動車のモータには、小さくて力を強くする為、当然レアメタルの或る種の金属が必要になる事が普通に行
われています。
又、医療器械の中には超伝導と言われる温度を下げると直流抵抗がゼロに近くなる為に、小型の器械でも大きな磁場を作る事
が出来る特殊な物質が使われています。
又、周波数を高くすると、こうした性質はより顕著になる傾向が有り、携帯電話などのいわゆる高周波でも極端に高い周波数
になると、別の性質も出て来て、昔(4~50年前)は正確な周波数も測れなかったり、回路を作ることさえ大変でした。
携帯電話が普及するには、高周波の性質を良く知っている技術者が必要で有り、測定器も必要ですが、非常に高価でした。
高周波の技術は、レーダーとか、電話回線を一度に沢山遠くの中継局に送るためのマイクロウエーブと言われる電波を昔から
扱っていた技術者によって開発されたと思われます。
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://www.wisteria-umegaoka.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/84