マンションオーナーの悩み(14)デジタルの前に(3)
近年の家電器具
この何十年かで、いろいろな基礎的材料の開発が進み、電気器具の絶縁材料も良くなって来ました。
最近では古い扇風機が燃えたと言うのがニュースになったりしていますが、家電品の絶縁材料は年数が経つとそれなりに劣化
します。
家庭に来ている100ボルトの電気をそのまま使っている様な洗濯機や電子レンジ等ではアース線が付いています。
特に洗濯機は水の傍で使うので、必ずアース線をコンセントにあるアースターミナルに接続する必要があります。
以前にも書きましたが、家電製品の制御をする電子回路は直流のしかも低い電圧を使用していますが、洗濯機や電子レンジの
様に比較的大電力を使う家電品では、絶縁の劣化によって、機器本体の外側のケースにまで電気が漏れる場合があります。
故障や絶縁物の劣化、水の侵入など色々考えられますが、先ずは人の立っている場所等でも大きく違います。
前回記述の様に、家庭に配られている電気は単相ですが、200ボルトだけは、単相三線式と言って、三本の電線は、必ず一本
は地面にアースしてありますから、一本は地面と同等かそこに近い電位です。
次の二本は地面からそれぞれ100ボルト、そして地面にアースされていない物同士では200ボルトになります。
この200ボルトは家庭内配電盤の所で、両方の100ボルトが平均に使われる様に分配して有りますが、実際にはなかなかそう
は行きません。
このバランスが崩れても、家庭の電気料金には影響しません。
何処が困るかは、しいて言えば電力会社なのです。
多くの家庭に配る電気は、総じて考えれば平均して問題の無い範囲なのでしょう。
ですから、大きな電力を使う会社等では、三相交流を使い、家庭用では無視されている交流電力特有の力率と言う問題が有り、
予め使う機器との関係を電力会社が調査して契約する様です。
又、柱上トランスから出た100ボルトも、各家庭に平均に配られる様に配線されています。
蛇足ですが、昔は3300ボルトを柱上トランスで下げていましたが、今は6600ボルトから200ボルトや100ボルトを作る様です。
これも材質の改善によって、絶縁性や冷却が効率良く出来る様になったと思われます。
家電品の多くは100ボルトなので、今200ボルトの事を考える必要はありませんが、家電品の中で比較的沢山の電気を使う
機器では、モーターやトランスの絶縁体を通して電気が漏れる様な現象があります。
それは、絶縁物を電気の通る電線や導体で挟むと、両方の導体の間に電気を貯める事が出来るコンデンサーの役割が
出来てしまい交流では、このコンデンサーを電気が通過してしまう性質がありますから、故障で無くても触れるとビリビリと
感電した様に感じます。
実際に感電しているのですが感じが悪いだけで、エネルギー量は少なく普通は死ぬ事はありません。
電圧は感じますが、電流はごく僅かなので心臓を沢山の電流が流れて感電死する事は起きませんが、びっくりして反射的に
身体が反応して、何かにぶつかったり、転倒したりして事故になります。
しかし、洗濯機等の様に足が直接水の有る場所では、もっと感じたり、故障の場合は本当に感電して死ぬ場合もあります。
ですから、容量の大きな家電品を使う場合には、アース線を必ず使う事を勧めるのです。
ウィステリア梅ヶ丘では、洗面所の洗濯機置き場とDKの冷蔵庫置き場の上の方に有るコンセントにアース用ターミナルが備えて
有ります。
家庭内配電盤には、そうした漏れ電流を検知するブレーカーが付いていますから、本当に故障して危険な程になれば先ず
漏電ブレーカーが働いて電気を遮断していまいます。
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