マンションオーナーの悩み(17)困った事Ⅲ
困った事さまざま
ネジは緩むもの
通常ネジはしっかり締めておけばそんなに簡単に緩むものでは無いと思う方も多いと思いますが、実はそうでも無くて、各部屋
のドア周りのネジは結構緩む事が多いのです。
ドアを支える蝶番のネジは、ドア側、建物側共にステンレス製の蝶番3個を各5本づつのネジで止められていて、全部で都合30
本の皿ネジで止められていますが、数年で簡単に緩む場合があります。
或る時、ドアの締りが悪いと連絡があり、行って見ると正に蝶番のネジが信じられない程出っ張っていて、ドアに当たっていたの
です。
そのドアの他のネジは全部少しは緩んでいました。
このためか、機械類のネジは六角穴付きネジを使って締めるので、簡単に緩む事はありません。
六角穴付きネジは強度が高く、プラスドライバーで締めるネジよりかなり強い力で締める事が出来ます。
緩むのを止めるには、ネジロックと言う接着剤に似たジェル状の物を塗って締めます。
しかし、建築関係のものでは、殆どネジロックを使っているのは見掛けた事がありません。
そんな事が有ってからは、ネジ類は必ず緩んでいないかをチェックしていますが、ネジの数といったら半端ではありません。
比較的最近の事ですが、西玄関の大きなステンレス製のドアが完全には閉まらない状態になりました。
最初見た時は、どうしてそんな事が起きるかさえ判りませんでしたが、良く調べるとドア自体に蝶番は無く、上と下の軸及び
軸受によって蝶番になっています。
その軸受はドアでは無く、ドア枠側に付いて居り、そのネジが緩んで出っ張りを作り、ドアが完全には閉まらなかったのです。
しかし、そのドアのステンレスは外側のみで、中に丈夫な鉄製の枠が入っていて、力の掛かる部品は全てその鉄枠に止めて
いるのです。
そして、そのドアの軸受も複雑な形状をした鉄製部品を内部の鉄枠に止めていたのです。
その緩んだネジはドアがドアチェッカーによって閉まる方向に力が掛かりますから、かなり曲がっていましたから、同じ経の
ネジを持って来て交換しようとしましたが、何と旧JIS規格のネジピッチで合いません。
こうなっては、軸受全部を丸ごと変えないと何も出来ない事になってしまいます。
さもなくば、旧JISのネジを探すしか有りませんが、事あるごとに旧JISネジを探すのは、勘弁して貰いたいものです。
かくなる上は、軸受全体を取外して多少の調整可能な新しい軸受を丸ごと注文して交換するのがメンテナンス上は安く付く
筈です。
当然軸も軸受も摩耗している筈ですから交換しておくのが良いに決まっていますが、他人の造った物は、構造の詳細が判ら
ず、開けてビックリは無しにしないと大変です。
外した部品は短時間で、正確な図面にし、それを元に発注用図面を描くわけです。
当然専門業者に依頼するより高く付きますが、構造が判っているので、メンテナンスの面や寿命がどれ位かも判って不具合
が発生する前に手を打てます。
機械類や身近な物では自転車などでも、昔は新しく買ってからしばらくすると、増し締めと言ってネジの緩みを元に戻す
サービスをしてくれました。
今では、普通の自転車でそんなサービスは聞かれませんが、ロードバイクの様な高価な自転車ではやってくれます。
振動が伝わる機械や工具では必ずネジの緩みが思わぬ結果を招く場合が有るのです。
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