オーナーブログ
マンションオーナーの悩み(9)インターネットとMDF
知っている様で知らない話
誰でも使う家電製品やインターネット、全部電気に関係した生活必需品ですが、世の中が便利になればなる程難しい理屈で
よく判らない事だらけになります。
電気と名が付く物でも、静電気とか直流とか交流とか無線や電波と、どんどん訳がわからなくなる方も多いのではと感じます。
電気は我々の生活に必需品ですが、電力会社から買っている電気は交流ですが、電化製品の中で色々な制御に使う電気は直流
が殆どなのです。
先ず、直流と交流ではその挙動、いわゆる特性や性質が全く違います。
これまでに一番良く使われた電車も電話も、直流を使っています。
でも通信に使う信号電波は交流ですが、周波数即ちプラスとマイナスの極性の変わる速さは100Vとは比較にならないほど
早いのです。
TVやスマホ、携帯電話の信号はみな電波ですから、交流です。
交流の周波数を高くして行くと電波になって空中に飛び出します。
家電製品につかう、100Vの電気(コンセントから使う電気)は関東では50Hz、関西では60Hzの交流です。
要するに一秒間に50回又は60回プラスとマイナスが入れ替わる交流なのです。
電車では一部交流で動く物もありますが、身近なインターネットなどは電気信号をやり取りして通信を行いますが、結構聞き
慣れない言葉で溢れています。
東京では殆どの人が光り回線を使ったインターネットや、携帯やスマホなど、無線を使う方も多い筈です。
インターネットに繋ぐのは、色々複雑で、通信会社によって違った方式を使う場合が多いからです。
初期には、NTTから電話回線を使ってISDNとかADSLといった方式の接続を行った時期もあります。
しかし、光ファイバーの普及に伴い、通信速度が格段に早く、便利になった筈です。
光回線の初期とは違い、マンションなどでは一旦マンションの中に光回線を入れ、それをVDSLという方式に変換して、
従来の電話回線を使って居住者が共同で光回線を使い光ファイバーの数を節約する方式が一般的になっています。
その他、普通の100Vの電線に信号を乗せて送る方法も有って、電力会社が行っている場合も有ります。
今だに、LANケーブルを引き回して行う通信会社も有りますが、ウィステリア梅ヶ丘では全ての方にNTTのBフレッツか
独自に光ファイバーを導入する様にお勧めしています。
Bフレッツは、下り(外部から加入者向き)が100Mbps、上りが40Mbpsと言っていますが、加入者の使用が一度に集中すると、
通信速度が遅くなりますから、NTTの言うのは理論的な最大です。
bpsはビットパーセカンドです。
一秒間にデジタル信号のビットをどれだけ送れるかと言う転送速度を表します。
bpsの前のMはメガと発音し、ISO(国際標準機構)の単位で、1,000の1,000倍の単位です。
ビットとはデジタル信号の最小単位ですが後述します。
光ファイバーをマンション内に入れて、それをVDSLと言う方式の信号に変換すると、従来の電話回線を使用して、
最大100Mbpsまでは可能ですから、普通の使い方ではあまり不便では有りません。
光ファイバーをマンション内に一本引き込み、VDSL交換器を通してVDSLと言う電話線で信号を送れる形に変え、その信号を
電話専用に設けて有る、MDF(Main Distributing Frame)とい言われている電話用配電盤に繋ぎ、そこで各戸の電話回線に
信号を乗せて送ります。
電話の信号はVDSLよりはずっと低い周波数なので、影響有りません。
ですから、通信会社と契約するだけで改めて電線を引く必要が無く、通信会社から送られて来る、ルーターを介して既に配線
されているモジュラージャックからパソコンに接続するだけでインターネットに接続する事が出来ます。
当社のMDFのボックスには盗聴等を防ぐため、鍵が掛かっています。
VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)は昔のADSLより通信速度が早い方式ですが、あまり遠くには使えません。
NTTは評判の良い会社とは言えませんが、昔は電電公社という官庁だったので、昔の電話回線ではしっかりした技術基準
が有って事業を行っていましたから、MDFの工事などもしっかりした工事でしたが、NTTとなり民間企業になってからは、急な
事業拡大や携帯電話事業の普及などで、評判を落としたと思われますが、他の通信会社では、実際に工事を行う事業者の
多くは、下請けで有り、ずさんな工事を行う業者も増えています。
その為、NTTを推奨しています。
マンションオーナーの悩み(8)フローリング
意外と知られていない決まり事(2)
フローリングの秘密
木製の床材は昔は、普通の板、要するに無垢(むく)の板ですから木材の種類によっては硬い柔らかい、色なども違います。
しかし最近のいわゆるフローリングと呼ばれる床材は、特殊な加工をして、軽く柔らかい、しかし表面のほんの薄い部分だけが非常に
硬い加工が施されているのが一般的になりました。
勿論、昔の様な無垢材のフローリングも存在し、更に同じ種類の木材を小さな大きさにして、表面加工をしてそれを繋ぎ合わせた様
な物も市販されています。
前述の柔らかいフローリングは、いろいろな意味で、同じ品質のフローリングの製造が可能ですが、欠点も有ります。
表面のごく一部の薄い部分だけが硬く、中が柔らかいので、キャスター付きの椅子に座ったまま移動すると、柔らかい部分が潰れて
しまい、表面の硬い部分と柔らかい部分が剥離してしまいます。
市販品の箱にはその事が書いて有りますが、使う人はそんな事は知らない場合が多いのです。
ウィステリア梅ヶ丘では、DKの床は椅子の生活を考えて無垢製品のフローリングにして有ります。
しかし個室については、普通のフローリングですから、一日中キャスター付きの椅子に座って仕事をしたりすると、表面の硬い部分が
剥がれてしまいます。
とても誰でもが知っているとは思えませんが、不動産屋さんは説明しているでしょうか。
そうした性質上フローリングにまつわる問題は意外と多く、フローリングメーカーでは5年も同じ種類を出せば良い方で、たった一枚の
フローリング材の修復の為に全体を交換しなければならない事になります。
最近では、美術大学生のアルバイトで、傷付いた場所を樹脂で埋め、絵の具で木目を描くといった修理が多い様です。

無垢の木材の小さい物を繋ぎ
合わせて作ったフローリング材
キャスター付きの椅子でも使えます

通常のフローリング
木材をサンドウィッチ状に重ねてあります
硬いのはごく表面だけです
マンションオーナーの悩み(7)トラッキング現象
意外と知られていない決まり事
案外知られていない事で皆が使う物・・・
例えば、日本の電気は交流の100Vで、一つのコンセントからは口数に関係無く、15アンペア、即ち1500ワットまでしか使えないとか、
の事です。
或る姉妹の方達が同じコンセントに冷蔵庫や炊飯器、電子レンジをつなぎ、危うく火災を起こすところまでになった事が有ります。
確かに一つ一つは大丈夫ですが、一度に全部の電源を合わせると確かに1500ワットをオーバーすると考えられます。
しかし、今回の例ではそうした過大電流では無く、古いテーブルタップに幾つもの家電製品を繋いだことに有ります。
自分の使う家電製品の電力を知って使う人は案外少ないのかも知れません。
この例ではコンセントその物が焼け焦げてしまいましたから、気が付くのが遅ければどうなったか判りません。
普通では、家庭の配電盤の中には、全体の容量を決めるブレーカーと呼ばれる物(容量によって契約料金が違う)と漏電
ブレーカー、そして各コンセントや部屋毎に20アンペア毎に分けられて配線されています。
ですから、20アンペアを超えれば小さいブレーカーが落ちる筈ですが、コンセントに差し込むいわゆる差込部分が古くなると、
電気抵抗が増して、熱を持つ場合が有ります。
又、トラッキング現象と言って、プラスティック製のテーブルタップが少し熱を持った状態で長い間使われると、プラスティックが
少しづつ炭化して、絶縁物で有った筈のプラスティックが電気が通り易くなり、ショートして発火します。
今回はそうした例と考えています。

現実に起きたトラッキング現象
テーブルタップを使ったのが原因ではないか
と考えられます
マンションオーナーの悩み(6)見逃さない
見逃さないのが一番の倹約
建物には、必ず外構と呼ばれる、建物の周囲に有る構造物が有ります。
そうした外構部分にも気を配る必要が有ります。
建物を含め、全ての人口工作物は耐候性に違いが有りますから、何かで風雨や紫外線から守らないといけません。
特に普段あまり用の無い場所は特に注意が必要です。
例えば専門の業者任せの受水槽周りの構築物や、塗装類などです。
又、後で追加した様な物は必ずチェックする様に心掛けます。
あらゆる分野の職人が別々に施工した物は、形は同じでも作り方が同じとは限りません。
沢山の部屋の内装などでは、部屋毎に少し違う場合も有ります。
簡単な例では、違う規格のネジを無理にねじ込んでネジ穴が壊れている様な例も有ります。
更に、何かをネジ止めしてあったとしても、壁に直角では無く、色々な方向に傾いてネジを締め付けている場合も有ります。
屋内配線などでも部屋毎に違う場合が有ります。
屋上や屋根の上なども大いにチェックする必要が有ります。
特に、防水処理の方法も知っておく必要が有ります。
兎に角外装関連の耐候性に関わる場所は全てお金が掛かるからです。
何か起きてからでは間に合わない場合も有ります。
水漏れ事故などは、建物の構造によっては専門家でも見つけられない場合が多々有ります。
RCの建物に屋上に上がる階段室などを設けると、水漏れ事故の発生が起きる場合が有ります。
屋上にわざと水をはって水漏れが無くても、雨が降ると水漏れが発生したりしますから、とても厄介なものです。
マンションオーナーの悩み(5)人間の生活
住んでみないと判らない人の生活
何だかんだと、経費節減に努めても、家賃の下がり具合とは比較にならない場合も有ります。
市場経済の世の中ですから、逆らうわけにはゆきませんが、不動産屋さんは、建物の内容にはあまり興味が無くて、もっぱら宅建
関連の事や自治体の条例などに違反しない様に、又客とのトラブルにならない様に努めています。
勿論それで良いのでしょうが、せっかくオーナーが頭を使って差別化を図っても、その違いを上手く説明出来ません。
普通の人が誰でも気が付くのは、形や色ですから、建物自体にお金を掛けてもあまり家賃とは関係無く本当に賃貸物件を経営
する人は安い木造の物件にするそうです。
税制面でも違いますから、場所さえ良ければ、RCなどで賃貸物件を作るのは、愚の骨頂という事です。
確かにそうかも知れませんが、自分でもそこに住みたい人にとっては悩ましいところです。
建物の耐久性は勿論ですが、気密性なども大きく違いが有りますから、やはり住み心地はRCに軍配が上がる筈です。
しかし、両親と一緒に暮らしていた人が、独立して自分で都会に暮らす場合、今まで意識したことが無かった、人の生活に欠かせない、
掃除とか炊事とかが上手く出来ない人が多いのです。
普通の表面的な掃除は出来ますが、浴室の下水トラップの中やキッチンのトラップも大抵はそこの家の主婦、即ちお母さんが
やりますから、子供がやる事は先ず無いでしょう。
飛行機のキャビンアテンダント(昔はスチュワーデス)の人が長い髪の毛を浴室のトラップに何回も詰まらせて業者を困らせたり
包丁を蛇口に切りつけて大きな傷を付けたり、ステンレスの流しを切ってしまう人も居ます。
家でお母さんのやる事を全部マスターしてから独り立ちする人は少ないでしょうから、或る意味仕方ないとも言えますが、自分の
ゴミはきちんと始末して貰いたい物です。
不動産屋さんの話では、専業主婦が居る家庭では、綺麗で独身者の部屋が一番汚いのは何処も同じだそうです。
それなのに入居を決める時には、結構細かい所を見て何か言うので、こちらもルームクリーニングの業者に細かな注文を付ける事になります。
ホテルのインスペクター(検査人)は客室の整備をチェックしますが、空き部屋で他人の気配を消す事に重点を置きますが、一番
良く判るのは、やはり水周りです。
水周り、トイレや洗面所を使わない人は殆ど居ない筈ですから、そこを綺麗にするだけで随分感じが違って来ます。
賃貸物件では、水道水のタンカル(炭酸カルシュウム)が主体の汚れを綺麗にするだけでかなり見栄えが違います。
水道水の中の僅かなカルシュウムと、空気中の酸素が反応して炭酸カルシュウムの白いシミが出来ると言いますが、実際には
他の汚れも混じった状態ですから、取るのは結構ノウハウが有ります。
マンションオーナーの悩み(4)普段見ない所
人目に付かない場所
外部に鉄製品を使っている場合は、少しの錆でも見逃さず、錆の小さい内に錆止め処理をします。
こすって落とせる錆は落としてから、同時に周りの塗料も落ちますが気にしないで兎に角鉄錆を落とします。
上手く落とせない場所でも少しは錆が落ちますから、その後錆変換剤を塗布し、乾燥したら、錆止め塗料を塗り、次に普通の塗料
を塗ります。
錆止め塗料が必要なワケは、表面の塗料は耐候性や摩擦に強い材料で出来ていますが、下の鉄とは伸縮率が違いますから、
時間と共に剥がれる運命に有ります。
この為に錆止め塗料は乾燥しても柔らかく、鉄と表面塗料の間を取り持って、温度変化による伸縮率の違いを吸収する能力が
あります。
ですから、必ず下塗りは錆止め塗料を使います。
外洋を航行する大型船は、どんな職種の人でも、時間が有れば、何時もペンキの上にペンキを塗って、海水から鉄の船を
守って居る様です。
ペンキ塗りは普通に塗っても、ピンホールと呼ばれる小さな穴が出来て、そこから錆の原因になる水や酸素が入り込んで錆
の発生につながります。
従って、必ず二回塗り以上が望ましく、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー塗りと塗り方によってもピンホールの出来方は
違いが有りますから、刷毛塗りの場合でも、一度の塗りで、反対方向にも刷毛を移動させて塗りムラを予防したり、ピンホール
を少なくします。
ですから、マンションの管理人は、外洋を航海する大型船のクルーと同じ気持ちで、あちこち見回り、錆などを放っておかない
様に努力が肝心です。
マンションオーナーの悩み(3)管理費用
維持管理費用の削減
先ず何となく昔からやっていた事や、人に頼んでいた事を見直して、無駄やオーバークオリティーが無いかどうか調べます。
ゴミ処理の為の人件費、共用部分の清掃、電気代、等々です。
例えば、電気料一つでも、回る物(モーター等)は大して電気代が上がらず、照明の様にずーっと長い間点けている物は
電気代が掛かると昔から言われて居ます。
モーターなど回る物は、起動時に瞬間的に大きな電流が流れますが、回り出せば案外少ない電流の物が多いのです。
しかし、照明の様な物は、ずっと同じ電流が流れますから、小さいワット数でも馬鹿に出来ません。
ですから、廊下や玄関の共用部分の照明などをタイマーでは無く、本当の暗さを基準にして点灯するタイプにします。
本当に必要な時間だけ照明する様に出来ないか。
毎日の掃除は一日おきに出来ないか考えたり、週に一度、月に一度などと変更して、経費をおさえます。
更に、管理全体を業者に任せていないかです。
必ず自分で出来る事が有るか、別の業者を探して安く出来る方法を探します。
少しづつ出来る補修等は自前で行えば、人件費が掛かりませんし、もし他の仕事で雇っている人がいれば、仕事の範囲を広げて
やって貰います。
少し費用が掛かるかも知れませんが、電気の接点(スイッチ)等は、半導体に変えて故障しない様にします。
廊下や階段が外扱いに設計された建物では、滑り止めや清潔感を保つ為に色々な方法がありますが、市販の敷物を使う場合と
塗り床にして、船の甲板(FRPのデッキ等)に使う、砂撒きを行うのも一つの方法で、小人数で塗り替えが出来ますから、養生さえ、
きちんとやれば、素人でもペンキ塗りができます。
自分達で出来ると、常に綺麗に保つ事が出来ます。
ペンキ塗りは気温があまり下がらない、4月~10月位の間に行うと綺麗に仕上がります。
人によっては、歩き方に色々有り、靴の踵をこすって歩く人が居ると、汚れも早くなりますから、場所によっては早く塗り替えする
場所も出て来ます。
専門業者に頼んでも、砂撒き塗装を知らない業者も有り、塗装したばかりの乾いていない床面に砂を均等に撒き、次は塗料が
乾くまで上に塗ってはいけません。
砂を撒いた床が固まらない内に上から塗料を掛けると砂が固まってザラザラ感が必要以上になって、良く有りません。
マンションオーナーの悩み(2)コンクリート
建物の管理
建物の管理を他人に任せると、おそらく各職種別に業者に丸投げする事が多い筈ですから、出来るだけ自分でやる事です。
自分でやるといっても、本当に大工やペンキ屋になるわけでは有りません。
何処が補修の必要が有るかを見る目を養う事です。
殆どの場合、いち早く見つければ、費用が安くつく場合が多いからです。
建物の構造や材質によってかなり違いが出るのですが、例えコンクリートでも、野ざらしは駄目です。
コンクリートはセメントに骨材(砂利・砂)と水を混ぜて固めた物ですから、アルカリ性ですが、水によって、セメントだけが流れて
出てしまいます。
雨漏りなどでセメントが流れ出ている場合は白く析出して見え、一般にエフロと呼んでいます。
ですから、必ず表面を保護しないといけません。
そのため多くは、タイル貼りの外壁ですが、最近の建築で多いのは、打ちっぱなしと言う、コンクリートの肌をみせるデザインで、
型枠の通りの跡が見える施工法です。
この方が少し安く出来ますが、本当に打ちっぱなしで、表面をそのままにした場合の話ですが、後に起こるメンテ費用の事は
考えていないと言って良いのではないでしょうか。
表面に撥水剤を塗布する場合は、その費用や、撥水剤の寿命もありますから、そんなに長持ちはしないでしょう。
よく、撥水剤の塗布は、表面的な外観を保つためと言う人が居ますが、必ずしもそうとは決められません。
何故なら、前記の様にセメントだけが流れ出て、ザラつきの有る表面になれば、外観は勿論表面積が多くなり、中性化の速度が
早くなるかも知れません。
最近では撥水剤の塗布をする建物が増えて居ますが、表面から塗布する材料は、最大5年未満が普通なので、かえってメンテ
費用が掛かってしまいます。
建築中の外壁作業は、足場が有りますが、築後のメンテでは、そのためだけに足場を組んだりしますから、費用が増えてしまいます。
設計事務所は打ちっぱなしを勧めることがよく有りますが、考えて決めないと安物買いになってしまいます。
コンクリートは前記しましたが、風雨によって、表面のセメントが流れ落ちて、ザラザラになり、水分の乾きが悪くなって、カビが生え
易く、黒くシミになって全体に打ちっぱなしの綺麗さは保たれません。
その他、コンクリートでは、仕上げのモルタルを含めて、収縮目地を上手に入れておかないとクラックが入り、水の侵入で、
鉄筋が錆びたりすると、爆裂して大変な費用が掛かります。
最近はそうした箇所を補修する工法や天井スラブ等の補修にもタレが無い専用のセメントも販売されていますが、職人の技量
に委ねている事に代わり有りません。
コンクリートの鉄筋は型枠から30mm程度内側にするのが、常識ですが、複雑な形の場所では、本当にそうなっているかしっかり
監理してもらう必要が有ります。
爆裂箇所を見つけたら、周りのコンクリートを削って錆びた鉄筋を出して、エポキシ系の錆処理剤を塗布し、接着性の高い
補修材で処理します。
収縮目地をどう入れるかは、施工業者に任せる場合が多いのですが、しっかり確認しないと、おかしな所にクラックが入ります。
クラックの入る場所は、経験則で判っていますが、設計事務所や施工業者はそうした決まった一種のルーチンワークを
簡単にする為に、配筋の設計などを型にはまった仕様で行う傾向が有りますから、きっちりチェックしないと、窓枠の周りに
クラックが入ったりします。
収縮目地には、コーキング材で保護しますが、これも寿命がそうは長く有りませんし、場所によっても違いが出ます。
陽の良く当たる場所や、風雨にさらされる場所を見ておいて、コーキング材が硬くなって隙間が出来始めたら、打ち換えします。
耐候性の強いコーキング材は、2液性が多いので、専門職に頼むのが安上がりかも知れません。

打ちっぱなしコンクリートが汚れた例
丸い凹みは型枠の跡

上の写真を一部拡大
細かいクラックや穴が沢山見えます
スベスベ感はありません

雨水によってセメントの石灰分が流れ出て白く見えます
マンションオーナーの悩み(1)家賃・税制
税制変更・家賃低下の悩み
贅沢な悩みだなんて言う人も居るかも知れませんね。
でも、良く考えて下さい。
比較的小規模のマンションオーナーには色々な悩みが付きまといます。
最近では税制でしょうか、それでなくても、家賃が下がる中で経費がかさんで、何とかしたいと思っていらっしゃる方は多い
筈です。
よく、景気が悪くなる時は一番先で、景気が良くなって来る時は一番最後、と言われるのは中小企業の話ではありません。
賃貸物件の賃料です。 中小と言うよりは、零細企業かも知れませんが。
賃貸物件と言うものは、人の住み家ですから、とても多くの職種にまたがった物なのです。
そこが基本的に維持管理を困難にしているのです。
税制上では相続税が大きく変わりますから、個人所有のオーナー方は一番困難な時代と言えるかも知れません。
日本の税制は妬みの果てと色んな人が書いています。
政府の借金財政削減のために、個人攻撃のルールを決めて、一番取りやすいのが相続税です。
個人財産は皆違いますから、団結して何とかする事はありません。
最も狙い易い場所が相続税、海外資産も徹底して標的にしています。
どんな金融機関からも相続税対策のセミナーのお知らせが来ている様です。
土地持ちの大家さんでも、立地条件で随分違った解決法になるとは思いますが、法人の持ち物にするか、個人の物は、
一年の半分以上を海外で暮らすしか有りません。
ですから、本当のお金持ちはどんどん日本から逃げて居るそうですが、そうでもしたくなります。
少し前には、海外の金融機関に口座を作って何とかしようとしていた人が多い様ですが、最近では国税のきついお達しで、
HSBの様な日本にも支店の有った金融機関も何の役にも立たなくなった様です。
海外に5,000万円以上の資産を持っている人は、申告しないと牢屋に繋ぐぞと脅される様になったそうです。
経済が不安定になると、それが戦争で無くても、金の価格が上がり、皆金を買ったりしますから、一時金の価格が上がり、
日本中で金製品の買取ブームが起きましたが、今は下がって一段落です。
でもその買い集められた金は、海外に売られたので、日本国内の金はかなり減ったそうですが、中国等は逆に買い集めた
様に聞いています。
香港では空港の近くに金塊を貯蔵する特別な倉庫を作っているという話を、何年か前に聞いた事が有りますが、ちょっと
覗いて見たくなります。
話が大分それてしまいましたが、人の住まいを維持する大家さんの悩みとは、築年数が経つと、家賃が下がり、空き部屋
が増える割には、メンテナンスの為の経費がかさむのです。
経理的分類では、修繕費に当たるものですが、どんどん増えるのに、銀行から住宅ローンなどで借金が有ると、元利均等
払いの場合は、年数が経つと次第に元金返済分が増えて、その分は課税対象になりますから、所得税が増えて行きます。
経費は増え、税金は増えと、踏んだり蹴ったりの目に会うはめになります。
そこで、法人を含むオーナーと一族から、お金を外に出さない工夫をしなければなりません。
新米大家奮闘記(30) 植木ゴミ
植木剪定と肥料
CO2の問題はだいぶ前から言われていますが、植物を燃やして炭酸ガスを出してもその植物が成長過程で酸素を
出していたとしてカウントされないという話もあります。
更に、土中やそうした有機物に居る微生物によって分解させれば、土と混ぜてとても良い肥料が出来ます。
いわゆるコンポストと言って土と混ぜて、かき回していれば、翌日には殆ど分解されてしまいます。
自然界では、誰も落ち葉を片付けないので、腐葉土が出来、樹木などの栄養分になっているわけですが、植木屋さんは
全部片付けて持ち帰って処分します。
昔は、お寺や神社などでも、落ち葉を掃除して燃やしていました。
東京では焚き火禁止なので、見られませんが、昔はビニールやプラステックが無かったので、問題は無かったのですが、
ビニールや発泡スチロールを一緒にもやして、ひどい匂いや有毒ガスを出す焚き火をする人がいて、苦情が高まり、
消防署が一枚乗って火災防止になると禁止されたかも知れません。
ウィステリア梅ヶ丘では、敷地の周りには何がしかの植木が有って、その手入れは、専門の植木屋さんに頼んでいます。
植木屋さんの来る時期は決まっている様で決まっては無く、一番気になる南側のマテバシイは直ぐに葉が茂ってしまいます
から、秋から冬に掛けての陽が傾き出すと、日陰が多くなり気になってしまいます。
以前から、自宅の植木は自分で剪定していたので、マテバシイも剪定を何度かやった事は有りますが、植木屋さんには、
年間契約的な料金なので、選定後のゴミの始末を考えると自分でやる事も無いのですが、12月に入ればすっかり陽が傾き、
立派な日陰が出来てしまいます。
剪定と言っても自宅の場合は、切り落とした剪定クズはそのまま土に返すというのが大前提なので、いまでは何十年分かの
腐葉土が出来て、家庭菜園も何とか恩恵を受けている様です。
本当は植木屋さんの膨大なゴミも捨てないで、シュレッダーにかけて土に返すのが一番良いと思うのですが、現実には困難
で、現実味が有りません。
植木の中で一番分解し難い部分は樹皮です。
屋根に木の皮をふいたりしますが、肥料製造の工程でも木材用に伐採された樹皮が最も分解時間が長い様です。
肥料などにする材料は殆ど微生物によって分解し易い様に、細かく砕いて殆ど粉状にしてから、色々な物、例えばビール
かすとか、豆腐滓、生ゴミ、自治体のし尿処理されたペレット状の物とかを混合して、発酵させる様ですが、庭木等は常に土と
混ぜる事で一日で殆ど分解出来るそうです。
しかし、植木等のシュレッダーにはなかなか良い物が無く、生木が前提ですから、乾燥した枝等は細かくならないのが一般
に売り出されています。
大型の専門業者が使う物は有りますが、素人が買える様なもので、役に立つその手のシュレッダーは見当たりません。
結局かなりのエネルギーを必要とするので、電力の点で、日本の100Vに適した物は作り難いと思われます。
100Vのコンセントからは最大15A(アンペア)と決められているので、
15×100=15,000W
となりますから、少し馬力の有る機械では、2,000W~3,000Wですからちょっとその辺りにがネックになって満足な
シュレッダーが無いのかも知れません。
例えば、交流240Vで送っている国では、同じ太さの電線でも、そのエネルギー量は2.4倍ですから、馬力の有る道具を使えます。
仮に同じ電線で15Aしか流せないとしても、
15×240=36,000W
となり、比較にならない程馬力が違います。
よく公共のトイレに手を乾かす乾燥機が設置されていますが、最初の頃は、海外では凄い馬力の風が出ましたが、
日本ではそよ風で使い物にならなかったものです。
これも電圧の関係で簡単では無いのでしょう。